2012年01月16日
ナノ多結晶ダイヤモンド「スミダイヤ バインダレス」切削工具を発売

住友電工ハードメタル株式会社(社長:牛島 望 本社:兵庫県伊丹市昆陽北1-1-1)は、数十ナノサイズの微細な粒子を強固に直接結合したナノ多結晶ダイヤモンド「スミダイヤ バインダレス」を刃先素材に用いた微細加工用切削工具を2012年2月より発売いたします。同時に、当社グループ会社の株式会社アライドマテリアルから、同素材を刃先に用いた超精密加工用切削工具を発売いたします。
切削工具や耐摩工具の刃先素材として用いられるダイヤモンドには、「天然ダイヤモンド」の他に、微粒のダイヤモンド粉末を金属系の結合材と共に焼結合成した「焼結ダイヤモンド」と、地球内部と同様の高温・超高圧の条件下で結晶成長させた「人工単結晶ダイヤモンド」が広く使われています。
天然及び人工単結晶ダイヤモンドは、地球上で最高の硬度を持ち、工具素材としても優れた資質を有しますが、結晶構造の性質上、特定の方向で割れやすい(劈開)、摩耗が進みやすいという弱点があります。一方、多結晶構造の焼結ダイヤモンドは、劈開はありませんが、金属系の結合材粒子を含むため単結晶ダイヤモンドに比較すると硬度面では劣ります。
当社が開発したナノ多結晶ダイヤモンド「スミダイヤ バインダレス」は、数十ナノサイズの微細なダイヤモンド粒子が強固に直接接合したダイヤモンド単相のナノ多結晶体です。従来の人工ダイヤモンド単結晶の合成条件よりも更に高い温度・圧力下で、特殊な方法により合成した、まったく新しい人工ダイヤモンドです。結合材を含まないダイヤモンド単相の多結晶体のため、単結晶ダイヤモンドより高い硬度を持ちながら、劈開という単結晶ダイヤモンドの弱点を克服した、ダイヤモンドを超える究極のダイヤモンドと言える素材です。
「スミダイヤ バインダレス」の切削工具への用途拡大を図るべく、「スミダイヤ バインダレス」を刃先素材に用いて、当社は超硬合金などの硬脆材向け微細加工ボールエンドミル・旋削バイトを、アライドマテリアルは、光学部品用金型などの硬脆材の超精密加工向け切削工具を開発いたしました。
今回開発した工具は、2012年1月18日(水)~20日(金)に、東京ビッグサイトで開催される「精密・微細加工技術EXPO」の当社ブース内にて展示いたします。
▼「スミダイヤ バインダレス」切削工具概要 | ||
【製作可能なサイズ・仕様】 | ||
・先端半径0.3mm~1mmの1枚刃ボールエンドミル(住友電工) | ||
・旋削用バイト(切り込み10µm~数十µm)(住友電工) | ||
・超精密切削用バイト(切り込み1µm~10µm)(アライドマテリアル) | ||
【販売計画(グループ合計)】 | ||
初年度:2億円 | ||
3年後:12億円 | ||
【価格】 | ||
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※「スミダイヤ」は、住友電気工業株式会社の登録商標です。
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