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2014年10月15日pressproducts
焼入鋼加工用CBN新材種「コーテッドスミボロンBNC2010 / BNC2020」を開発・発売

住友電気工業株式会社は、焼入鋼の高精度から汎用的な加工において、従来材種よりも安定長寿命を実現する焼入鋼加工用CBN新材種「コーテッドスミボロンBNC2010 / BNC2020」を開発し、2014年11月より発売します。

コーテッドスミボロンBNC2010 / BNC2020ダイヤモンドに次ぐ硬度を有する立方晶窒化ホウ素(CBN)粉末を、結合材とともに超高温・高圧力で焼結したCBN焼結体は、自動車部品などに用いられる焼入鋼や鋳鉄などの難削鉄系金属を高速で高精度に加工できる切削工具として、適用領域や用途がますます広がっています。

一方で近年の自動車産業において、トランスミッションや駆動部に用いられる高硬度の焼入鋼の加工では、工具刃先が高温にさらされ、かつ高負荷が加わるため工具寿命が不安定で短くなりやすく、部品の加工コスト削減が大きな課題となっています。

このため、より安定して長寿命を発揮できる工具材種が求められており、こうしたニーズをとらえ、当社はこのたび、従来材種よりも安定長寿命を実現可能にした焼入鋼加工用CBN新材種「コーテッドスミボロンBNC2010/BNC2020」を開発しました。

本製品の特長は以下の通りです。

BNC2010

BNC2010は、当社独自のPVD*1技術を発展させ、新たに開発した独創的な3層構造を有する特殊多層コーティング膜を、新開発の炭窒化チタン化合物系結合材を加え焼結したCBN焼結体母材に被覆しました。さらに刃先品位を改善することにより、狙いの面粗度で切削加工できる距離を従来の1.5倍以上に伸ばすことに成功しました。当社の焼入鋼高能率加工用 スミボロン「ワンユースワイパーチップWG/WH型」と組み合わせることにより、1.6μmの加工面粗さが要求される高精度加工においても、実用的な加工能率と寿命を実現します。BNC2010は、面粗度や寸法精度が要求される仕上げ加工で安定長寿命を実現する焼入鋼用の高精度加工第一推奨材種です。



BNC2020

BNC2020は、新開発の強靭CBN焼結体母材と当社独自技術であるTiAlN系コーティング膜の界面に新開発の特殊密着層を付加し、さらに刃先品位を改善することでコーティング膜の耐剥離性を大幅に向上させることに成功しました。これにより、負荷の高い断続加工や浸炭除去加工においても、工具寿命の安定化を実現し、刃先が欠損に至るまでの寿命は従来材種比1.5倍以上を達成しました。BNC2020は、仕上げ加工から高能率加工まで多岐にわたる加工用途に対応し、安定して長寿命を実現する焼入鋼用の汎用加工第一推奨材種です。

     
  *1 PVD (Physical Vapor Deposition)  
  物質の表面に薄膜を形成する蒸着法のひとつで、気相中で物質の表面に物理的手法により目的とする物質の薄膜を堆積させる方法。  
     
  【ラインアップ】  
     BNC2010  
      141アイテム  
     BNC2020  
      145アイテム  
  【販売計画】  
     初年度:5億円  
     3年後:30億円  
  【価格】  
     (BNC2010 : 標準品)  
      4NC-CNGA120408 ・・・10,500円(税込11,340円)  
     (BNC2020 : 標準品)  
      4NC-CNGA120408 ・・・10,500円(税込11,340円)  

 

※「スミボロン」は、住友電気工業株式会社の商標です。

 

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