目に見えないモノの
“リアル” を見える化する
株式会社マクニカ
住友電工のセンシングツールに搭載されている超小型半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」。その開発・製造元である株式会社マクニカ(当時社名:株式会社グローセル)を取材させていただきました。
センシングツールを支える「STREAL」
JIMTOF2022でも注目を集めた住友電工のセンシングツール。そこに搭載されている超小型半導体ひずみセンサー「STREAL(ストリアル)」の開発・製造は、1972年に設立された半導体技術商社のマクニカが担っています。 商社でありながら設計開発部門を持ち、技術力・提案力を強みとしているマクニカは、半導体、サイバーセキュリティをコアとして、最新のテクノロジーをトータルに取り扱うサービス・ソリューションカンパニーとして、 50年以上の歴史の中で培った技術力とグローバルネットワークを活かし、AIやIoT、自動運転など最先端技術の発掘・提案・実装を手掛けています。
加工精度をリアルに“見える化”
STREALはわずか2.5mm角の半導体チップです。しかしセンサー素子、周辺回路などを集積し、独自の特許技術で人間では認知できないような高精度な値を計測することができます。 従来の計測方法と比べ、最新モデルの感度は約1万倍以上。たとえば1kmある線路の0.1mmの縮みを検知できるほどの高精度です。
STREALは「微細な変化をリアルタイムに伝える。目には見えないモノのリアルを見える化する」をコンセプトに2018年より開発が進められました。 現在では「超小型」「高精度」かつ「常時計測」を実現し、住友電工と共同開発したセンシングツールへの搭載で威力を発揮しています。
切削工具の業界では、これまで加工精度の見極めは熟練工の経験や勘に頼ることが多く、技術の継承が課題となっていました。またひずみを計測するためには、外付けアンプなど大がかりな装置も必要でした。 しかし超小型のSTREALなら工具ホルダーに内蔵することが可能で、わずかな表面のひずみもデータ化してパソコンなど外部端末に無線で送信できます。リアルな加工状態が常時手軽に把握できる、まさにソリューションと言えます。 しかも消費電力は従来のひずみセンサーに比べて約1,000分の1というから驚きです。このように優れた性能を持ったSTREALに支えられた住友電工のセンシングツールは、今ものづくりの現場で生産ロスの低減を目指し、生産性の向上に貢献しています。
わずか名刺1枚の重量変化も感知
実際、その精度をデモ機で体験させてもらいました。STREALを貼った長さ400mm、厚さ5mmほどの金属板に軽く触れたり、周辺を歩いたりしただけで、わずかなひずみが検知され異常波形として端末画面に表示されます。 「名刺1枚の重量の変化でも波形が動きます」と開発の宮嶋 健太郎氏は胸を張ります。また表面温度も同時に把握できるので、切削加工時の異常な温度上昇もすぐに検知可能。しかもセンサー自体に温度依存性はありません。
共同開発にあたり住友電工との窓口になった営業の小原 英輔氏は「切削加工の世界を知らない私たちにとって、センシングツールの開発は、異業種である住友電工との出会いがあってこそのこと」と話します。 「わずかな誤差も許されないセンサーに使う回路ですから設計には苦労しました。感度を左右するセンサーの素子には私たちの特許技術を搭載していますが、その開発が大変でしたね」と開発陣を労います。
製品を通じた社会貢献を目指す
「普通の半導体はそれ自体が変形すると誤動作が起き、動きません。しかしSTREALは変形を前提とし、変形しても動くようにデザインされているのが特長です。だから対象物を選ばず色々な所に貼れるのです」と宮嶋氏。 すでにロボットアームの軽量化や鉄道のレールゆがみによる事故を防ぐ保全管理などにも活用が検討されているとか。
「モノの機能性向上や社会の安全を支えるなど、世の中の役に立ちたいということが私たちのモチベーションです。今後さらにSTREALで取得したデータで新しい価値を生み出し、イノベーションを起こしたいと考えています」。 そう熱く語るマクニカの開発・営業チーム。皆さんのチャレンジと共に、今後もSTREALの進化は続きそうです。
株式会社マクニカ
半導体・集積回路などの電子部品の輸出入、販売、開発、加工、電子機器
並びにそれらの周辺機器及び付属品の開発、輸出入、販売、その他
【本社】
横浜市港北区新横浜1-6-3 マクニカ第1ビル
【設立】
1972年10月30日
TEL. 045-470-9870(代表)
https://www.macnica.co.jp/
半導体ひずみセンサーSTREALについて
※ こちらの記事は2023年に公開されたものです。