テクニカルレビュー
当社の技術内容を解説した技術論文集を掲載しています。
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難削材加工に適した
次世代超硬合金2025年1月
チタン合金や耐熱合金等の高強度材は加工が難しいことから難削材に分類される。難削材は航空機や医療等の様々な市場で使用され、 加工需要の高まりと同時に加工面品位や高能率化が求められている。これらのニーズに応えるため、当社では難削材加工に適した次 世代の超微粒超硬合金を開発した。硬質相粒子の界面強度を向上させる技術により粒子脱落による損傷を抑制し、結合相の強度を向 上させる技術により…
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切削加工のDXを加速させる
センサ搭載切削工具2025年1月
切削加工では加工中の刃先を直接見ることができないため、加工条件の最適化には熟練作業者の勘や経験に頼ることが多かった。近年、工作機械に内蔵された各種センサから総合的に切削力などの加工状態を監視する技術が実用化されている。しかし、切削点から測定点が遠く、その感度や精度は十分ではない。そこで、当社では切削点に最も近いインサートやドリル、エンドミルを保持するホルダにひずみセンサ…
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AM(Additive Manufacturing)を
活用した軽量・内部給油式切削工具2025年1月
切削工具に対するニーズは年々変化しており、電動化が進む自動車産業ではアルミ合金製部品をより高能率で加工するため工具の軽量化が求められている。航空機産業では、エンジンの騒音低減や燃費向上のため、切削熱の発生が著しい難削材であるニッケル基合金やチタン合金の使用量が増えており、刃先をより効果的に冷却可能な内部給油式工具が求められている。当社ではこれら市場ニーズの変化に対応する…
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穴あけ加工における
省電力化の取り組み2025年1月
近年、自動車産業をはじめ各産業分野でGX(グリーントランスフォーメーション)の実現に向けた取り組みが進んでおり、切削加工工程でもCO2排出量の削減が要求されている。CO2排出量削減には工作機械の消費電力量低減が効果的であるため、工作機械の稼働時間を低減できる高能率加工に特化した工具への需要が高まっている。この要望に応えるため、当社ではアルミ加工用の「マルチドリルMDA型」、およ…
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鋼旋削高速加工用CVD新材種
AC8115P2025年1月
自動車部品などで用いられる鋼の切削加工においては、環境負荷の低減や資源の効率的な活用を目的とした様々な取り組みが進められている。当社は連続加工から断続加工まで幅広い加工環境での安定加工を実現する工具として2016年に新CVDコーティング技術「Absotech」を適用した鋼旋削材種AC8000Pシリーズを発売し、順次製品ラインアップを拡大している。近年の鋼旋削加工では特に加工時間の短縮や…
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チタン合金旋削加工用PVD新材種
AC9115T/AC9125T2025年1月
チタン合金は軽量かつ高強度であり、耐食性にも優れることから、航空機産業で多用されているほか、生体親和性も高いことから、医療産業向けの用途も拡大している。近年、これらの産業は伸長が著しく、それに伴いチタン合金を加工する工具の需要は今後大幅に増加すると見られている。一方、チタン合金は工具との化学反応による凝着や、熱伝導率の低さによる加工時の摩耗で、工具の寿命が著しく低下する問…
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鋳鉄・焼結合金加工用スミボロン
BN7100シリーズ2025年1月
スミボロンCBN工具は、ダイヤモンドに次ぐ硬度と熱伝導率に加え、鉄系金属との反応性が低いcBN粒子を金属やセラミックの結合材で結合させた焼結体を用いた工具であり、高硬度で削りにくい焼入鋼加工や高精度加工が求められる鋳鉄・焼結合金加工の加工能率向上やコスト低減に貢献してきた。近年、自動車や建設機械等の重要な構成部品である鋳鉄・焼結合金部品の加工では部品の高精度化に伴う高い…
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焼入鋼高能率加工用コーテッドスミボロン
BNC2100シリーズ2025年1月
スミボロンCBN工具は、cBN粒子にセラミックス若しくは金属結合材を混合して焼き固めたCBN焼結体を用いた切削工具である。中でもコーテッドスミボロンは 、自動車部品などの素材である焼入鋼を加工する工具材料として適用範囲を拡大してきた。近年の製造現場では、部品加工の多様化に伴う変種変量生産体制や環境対応の重要性から設備の消費電力低減によるCO2排出量削減、価格競争に対応するために生産…
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鋳鉄旋削用CVD新材種
AC4125K2024年7月
近年、地球環境への負荷低減、資源の効率的な活用を目的とした様々な取組みがなされており、自動車等に用いられる鋳鉄部品加工の分野でも、軽量化が急速に進んでいる。軽量化に伴い、各構成部品はより薄肉、複雑形状化し、薄肉化した場合にも十分な強度を確保する必要性から、使用される被削材はより高強度・難削化し、工具寿命の低下が課題となる。また、加工現場では、コスト削減要求の高まりや、工作…
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小型旋盤用G級3次元チップブレーカ SL型ブレーカ
2024年1月
自動車、電子部品、医療をはじめとした産業で使用される小径かつ精密な小物部品の切削加工では、ばり・びびり・加工面不良を抑制し、加工の高品位化を実現できる工具へのニーズが高まっている。当社ではこれらニーズに応えるべく、優れた切れ味により高い加工品位を実現する小型旋盤用G級3次元チップブレーカ「SL型ブレーカ」を開発した。その特長、性能を紹介する。